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子どもの病気・トラブル

2024/1/26

子どもの鼻をほじる癖の原因と対処法は?​​無理やりやめさせるのはNG!【医師解説】

子どもの鼻をほじる癖の原因と対処法

お子さまの鼻ほじりが気になるかたもいらっしゃるのではないでしょうか。行儀が悪い印象があることに加え「鼻が広がってしまうのでは?」「感染症にならない?」と心配になることもあるでしょう。
子どもが鼻をほじる原因からリスク、対処法まで東京医科大学教授で小児科がご専門の山中岳先生監修のもと解説します。

監修者

やまなか がく


子どもの心身の成長に向き合う現場を20年以上経験するドクター。経験に加え、日本小児科学会専門医・指導医、日本小児神経学会専門医・指導医、日本てんかん学会専門医・指導医、と数多くの認定資格を所持し、日々、てんかんや熱性けいれんなどのけいれん性疾患、頭痛、発達の遅れ、脳性麻痺など、主に神経疾患のお子さまの診察を行う。東京医科大学主任教授としても、次世代の医師の育成に力を入れている。

なぜ子どもは鼻をほじる?

子どもが鼻をほじるのには、次のようなさまざまな原因があります。
● 鼻くそがたまっている
● 鼻水が気になる
● 鼻の中や奥がかゆい
● ほじると落ち着くため癖になっている
● 湿疹やできものがあって気になる
最も多いのは、鼻くそが出ていることでしょう。鼻くそがあることで鼻に違和感を覚えたり、鼻くそをとったときのスッキリした感覚を覚えていたりすることで、ついほじってしまうと考えられます。
鼻水が気になる場合や、鼻の中や奥がかゆい場合などは、アレルギー性鼻炎や風邪による鼻炎があることも考えられます。お子さまがなぜ鼻をほじっているのかを観察したうえで、単なる癖などではなさそうな場合は、小児科や耳鼻咽喉科を受診してもいいですね。

子どもの鼻をほじる癖には意外なリスクも

鼻ほじりは多くの子どもがするもの。「もう少し大きくなれば、人前ではしなくなるかな」と考えることもあるかもしれませんが、鼻ほじりには次のようなリスクも考えられるため注意が必要です。
鼻をほじることのリスク
● 鼻血が出やすくなる
爪などで鼻の粘膜が傷つくことで、鼻血が出やすくなります。また、鼻血が出たあとの傷口を鼻ほじりで刺激することでまた出血してしまう……と、くり返し鼻血を起こしやすくもなるかもしれません。
● 細菌やウイルスが侵入しやすくなる
手にはたくさんのウイルスや細菌が付着しているもの。鼻ほじりは、それらを鼻の粘膜にこすりつけていることとなります。また、鼻ほじりで粘膜が傷ついている場合は、傷口から侵入もしやすくなるでしょう。鼻ほじりの頻度を少なくすることに加えて、手を清潔にしておくことも大切です。
なお、鼻をほじることで「鼻の穴が広がってしまうのでは?」と心配になるかたもいらっしゃるかと思いますが、基本的には心配ありません。理由としては、小鼻の皮膚は非常に厚くて硬いためです。鼻ほじり程度の力であれば、簡単に伸びることはないでしょう。
鼻ほじりを注意する際も、「鼻の穴が大きくなっちゃうから、ほじっちゃダメ」というのではなく、「鼻血が出ちゃうし、バイ菌が入ってきちゃうよ」と説明してあげるほうがいいですね。

鼻をほじる癖をやめさせるには?

癖は無意識に行っているため、ただ注意するだけではやめさせることは難しいものです。鼻をほじっていることを意識することから始め、徐々に鼻をほじる以外の対処法をとれるようにしていけるといいですね。次のような方法を根気強く続けて、少しずつやめさせていきましょう。
鼻をほじる癖をやめさせる方法
● 鼻をほじっていることを意識させる
○ 鼻をほじっている様子を見たら、そっと指を外す
○ 「鼻をほじるのはやめようね」と優しく声をかける。強い言葉で注意するのはNG!
● 鼻の違和感に対して、鼻をほじる以外の方法をとる
○ 自分で鼻をかめない場合:綿棒や吸引で鼻の掃除をする
○ 鼻のかみ方を教える
● 手持ち無沙汰で鼻ほじりをする場合は、他のことに気をそらせる

まとめ&実践TIPS

鼻をほじる癖を直すのには、時間がかかるものです。成長するにつれ徐々に落ち着いていくものではあるものの、鼻ほじりによる鼻血や細菌・ウイルスの侵入の可能性といったリスクも心配でしょう。強い言葉で注意するのではなく、優しく根気強く声かけをしていけるといいですね。
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