ダニとハウスダストにアレルギーがあると言われ、減感作療法をすすめられました。

アレルギー症状を起こす原因物質のエキスを、注射などでごく微量を体に投与し（経口で行う場合もあります）、長い時間をかけて少しずつ投与量を増やして、体が原因物質に反応しなくなるよう誘導する治療法を「減感作療法」と呼びます。
ダニやハウスダストのように、日常生活の中で皆無にはできない抗原（アレルギーのもととなる物質）には、減感作療法によって体質を変えていくという考え方で、昔からの治療法のひとつとして存在します。

しかし、以下の5つの理由などから、現在の日本の小児科ではダニやハウスダストの減感作療法を積極的に行う病院はずいぶん減りました。
1．効果が出るまでに何年もかかる
2．多くの子どもがいやがる注射を続けなくてはならない。
3．必ずしも全員が成功するわけではない。
4．将来もっと効率的で安全な減感作療法が開発される可能性がある。
5．ぜんそくはガイドラインに従った治療を早期から行っていれば、長期の入院治療を必要としないほどに進歩している。

最近では、ダニを通さない特殊高密度繊維の布団カバーを使ったり、掃除などによる環境整備によってダニやハウスダストを減らす対策が一般的に推奨されています。
しかし、従来からの減感作療法にもある程度の効果があるのは事実ですから、お子さんがいやがらないことと、定期的に何年も通い続けられる条件が整っている場合は、検討してみてもよいかもしれません。