白川 公子 先生

総合監修:白川 公子 先生

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赤ちゃん返り

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先生への相談

3歳1ヵ月の女の子です。下に7ヵ月の女の子がいます。
以前は赤ちゃんの授乳のあとに、自分もおっぱいをほしがったりしましたが、抱っこをするふりをしたり、おんぶをするまねをしたりと、お世話もしていました。最近は、おっぱいをほしがることは少なくなりましたが、下の子をうとましがっています。下の子が、自分のおもちゃなどにさわろうとすると、大声を上げて取り上げますし、遊ぶための子ども部屋に下の子が入らないように、扉を閉めていないと怒ります。
先日は特に激しく、朝ごはんがいやだと泣き出したことに始まって、下の子を「お外に捨ててきて」と大騒ぎしました。ショックです。上の子へのかかわりが不足しているのでしょうか。

先生からのアドバイス

イラスト - 白川先生からのアドバイス

弟や妹が生まれたあとに赤ちゃん返りや、やきもちをやくことはよくあることです。赤ちゃんの存在が最初は物珍しく、かまったり、世話をやく行動が見られます。

しかし、寝てばかりいた赤ちゃんがだんだんと成長し反応が出てくると、自分の思うようにならず、そればかりか自分の大切なおもちゃに手を出されたりすると赤ちゃんがうっとうしい存在になってしまいます。
それまでは自分にだけ注がれていたまわりの目が赤ちゃんに注がれていることに気づき、赤ちゃんがうらやましくて自分に目を向けさせようとする行動も見られます。
また、急にお姉さん扱いされることにとまどいもあるでしょう。おうちのかたが忙しいことも十分にわかっているのにごはんを食べないと駄々をこねたり、ちょっと気に入らないことがあると「お外に捨ててきて」と言うのは、おうちのかたの気持ちを確かめているのです。
3歳ではまだまだ自分が甘えたい年齢です。

お子さんへのかかわりが不足しているわけではありませんが、おうちのかたもついつい赤ちゃん優先でお子さんを待たせてしまうことがあるのかもしれません。
きっとお子さんなりにがまんしていることもあるのでしょう。おうちのかたを困らせるようなことを言ったり、駄々をこねたりすることがあっても、お子さんの気持ちを考えてきつく叱ることは避けた方がよいでしょう。叱られると余計に悪循環になってしまうことがあります。

お子さんが大事にしているおもちゃは、下の子が手をふれられない場所に置いてあげ、お子さんの遊びの場を守ってあげることも大切です。
そのかわりに妹に貸してあげられるおもちゃを決めてみるのもよいかもしれません。おもちゃを貸すことができたり、おうちのかたのお手伝いができたときにはほめてあげましょう。
また、毎日少しの時間でかまいませんが、よりお子さんときちんと向き合える時間をつくってあげると、お子さんも満足できるはずです。一緒に遊んだり、抱っこしてお話をするなどスキンシップもしてあげましょう。

白川 公子 先生

プロフィール


白川公子

1988年より国立小児病院、2002年より国立成育医療センター こころの診療部、 2006年より東京西徳洲会病院小児センター神経・発達部に勤務。臨床心理士。発達心理を専門としている。