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子どもの病気・トラブル

2023/10/16

【医師監修】寝ている時に手足がピクピク動く子ども…原因や受診の目安は?

【医師監修】寝ている時に手足がピクピク動く子ども…原因や受診の目安は?

赤ちゃんや子どもが寝ている時、体のピクつきが見られることがあります。生理的な反応だろうと思っても、くり返し目にすると不安になってしまうこともあるかもしれません。そこで、東京医科大学教授で小児科がご専門の山中岳先生にお話を伺いました。
子どもが寝ている時に手足をピクピクさせる原因や、受診が必要なケースの目安についてご紹介します。

監修者

やまなか がく


子どもの心身の成長に向き合う現場を20年以上経験するドクター。経験に加え、日本小児科学会専門医・指導医、日本小児神経学会専門医・指導医、日本てんかん学会専門医・指導医、と数多くの認定資格を所持し、日々、てんかんや熱性けいれんなどのけいれん性疾患、頭痛、発達の遅れ、脳性麻痺など、主に神経疾患のお子さまの診察を行う。東京医科大学主任教授としても、次世代の医師の育成に力を入れている。

寝ている間のピクつきは生理的なものが多いものの、注意が必要なケースも

寝ている間に手足がピクピク動くことは、生理的な反応であることが多いものです。しかし、まれに病気が隠れていることもあるため、違和感を覚えるようなピクつきとなっていないか注意してみてください。
ピクつきが単発で終わる場合や、大きな音や光に反応するモロー反射などであれば、基本的に問題がないことが多いでしょう。しかし、何度もくり返す、いつもと違う箇所までピクピクするなど普段と異なり違和感を覚える場合は、一度受診すると安心です。普段、お子さまと一緒にいる保護者のかたが感じる「いつもと違う気がする」という違和感は大切なサインです。

寝ている間にピクピク動く原因

睡眠中にピクピク動くのは、生理的なものから病気が隠れているものまでいくつかの原因が挙げられます。月齢や年齢ごとに明確に分けられるものではありませんが、時期の特徴がある場合は合わせて解説します。

生理的な現象の場合

生理的な現象としては「モロー反射」「ジタリネス」「入眠時ミオクローヌス」などが考えられます。それぞれ特徴は次のとおりです。
モロー反射(4ヶ月ごろまで) 生後4ヶ月ごろまでは、寝ている間に大きな音や光に反応してバンザイのように両腕を広げる「モロー反射」が見られます。モロー反射は生理的なものであるため、心配しなくても大丈夫でしょう。
ジタリネス(乳児前半ごろまで) 新生児には「ジタリネス」という震えも見られます。ピクつきというよりは、ワナワナと細かく震えているように見えることが多いでしょう。これは神経が過敏になっているために起こるもので、乳児前半ごろまでは見られる生理的な現象です。
入眠時ミオクローヌス(年齢問わず) 寝入るときや眠りの浅いときにピクつきが起きる「入眠時ミオクローヌス」も見られます。これは、赤ちゃんだけでなく、大人にも起こるものです。寝入る直前にうつらうつらしながらピクピクッとしたことがあるかたも多いのではないでしょうか。
入眠時ミオクローヌスは、基本的には眠りの浅いレム睡眠時に起きるものです。しかし、新生児の場合は、眠りが深いノンレム睡眠時に起きることが多くなります。いずれの場合も、生理的な現象です。

注意が必要な場合

睡眠中のピクつきは、生理的な現象であることが多いものの、まれに次のような「てんかん性脳症」が原因となっている場合もあります。
ウエスト症候群(2か月〜1歳ごろまで) ウエスト症候群(点頭てんかん)は、生後2〜3か月から1歳ごろまでに発症することが多いものです。「点頭発作」と呼ばれる、頭部を一瞬垂れる発作に加え、発達の退行も起こります。治療開始が早期であればあるほど予後の改善が期待できるといわれているため、ピクつきを同じ間隔で何度も繰り返すようであれば、早めに受診するのがよいでしょう。

病院を受診したほうがいいケースとは?

保護者のかたの中には「寝てる間のピクつきくらいで、病院を受診しても大丈夫?」と思われるかたもいらっしゃるかもしれません。
しかし、大部分が生理的な現象である中に、まれに病気が隠れているのが怖いところです。次のような場合は、病院を受診したほうがよいでしょう。
●ピクピクが単発的ではなく、同じような間隔で何度も繰り返す場合
●手足だけでなく、目や顔など他の部分にもピクピクした動きが見られる場合
●はじめは生理的なピクつきに見えても、時間がたつにつれどんどん頻発していく場合
●保護者のかたがいつものピクつきとは何か違うと違和感を覚える場合
生理的な現象としてのピクつきと、病気が隠れているケースとでは、最初は見分けがつかないことが多いものです。しかし、何度も繰り返したり、複数の箇所で起こったり、進行に応じて頻度が増したりする傾向が見られます。ちょっとした変化であっても、普段お子さまと接する時間の長い保護者のかたであれば、「頻繁に起こるな」「なんかちょっとこれまでとは違うな」という感覚を覚えることもあるでしょう。違和感があれば、小児科に相談してみてください。
また、新生児のころは、生理的なピクつきや震えも頻繁に起こりますが、徐々に減ってきます。生理的なピクつきがあまり見られなくなる5ヶ月ごろを過ぎた時期に手足のピクピクが見られると「大丈夫かな?」と迷うかたも多いのではないでしょうか。
この場合、発達の状況も合わせてチェックしてください。発達が順調であれば問題のないことが多いものです。しかし、発達が遅れ気味であれば医療機関の受診をおすすめします。てんかんは、運動や精神面の発達に支障をきたすためです。
発達に支障ときくと、心配が増してしまうかもしれません。ただ、ウエスト症候群は、早く治療するほど予後が改善しやすいです。保護者のかたの不安を和らげるためにも、気になる場合は小児科で相談してみてください。

受診の際の注意点

小児科を受診する際には、スマホなどで撮ったピクつきの動画を持っていくのがおすすめです。ピクピクの様子は、言葉だけでは正しく伝えることが難しいもの。どこをどのようにピクッとさせているのか、頻度はどのくらいか、どのくらい続くのかなど、わかりやすく伝えるためにも、動画を残しておくようにしましょう。
先述した通り、単発のピクつきであれば問題のないことが多いです。動画に撮れるほどのピクつきがあるようであれば、繰り返し起こっているとも言えるでしょう。

まとめ

寝ているときの手足のピクピクは、生理的なものであるケースが多いものの、病気が隠れているケースもあります。ピクつきが単発的でなく、何度も繰り返したり、他の部位にも及んだりする場合、また発達に遅れが見られる場合は、小児科で相談してみてください。その際、動画を持参するとピクつきの様子が伝わりやすく、判断の助けになるでしょう。
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